2009 Fiscal Year Annual Research Report
イオン伝導性固体とイオン液体のハイブリッド化による新規固体電解質の創製
Project/Area Number |
21656165
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
林 晃敏 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 助教 (10364027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辰巳砂 昌弘 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (50137238)
忠永 清治 大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (90244657)
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Keywords | 固体電解質 / ハイブリッド / イオン液体 / 全固体電池 / リチウム電池 / メカノケミストリー |
Research Abstract |
本年度は、リチウムイオン伝導性酸化物ガラスとイオン液体のハイブリッド化を検討した。酸化物ガラスとしては比較的低いガラス転移温度(T_g)を有するLi_2O-B_2O_3系酸化物ガラスを用い、イオン液体としてはイオン伝導性の高い1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート([EMI]BF_4)を用いた。ハイブリッド化には、ボールミル装置を用いたメカノケミカル法を用いた。67Li_2O・33B_2O_3(mol%)ガラスに10mo1%の[EMI]BF_4を添加してボールミル処理して得られた試料は室温で粉末状であった。得られた試料について熱分析を行ったところ、[EMI]BF_4の結晶化温度(T_c)と融点に対応するピークが観測されなかったため、酸化物ガラスとイオン液体が互いに相溶し、ハイブリッド化していることが示唆された。・作製した試料のT_gは特定できなかったが、T_cは酸化物ガラスに比べて30℃低下していることからT_gも相対的に低下していることが推定された。また、FT-IR測定および^11B MAS-NMR測定から、ハイブリッド試料中には[EMI]^+およびBF_4^-イオンが分解されずに存在していることを確認した。交流インピーダンス法を用いて粉末成形体の導電率を測定した。ハイブリッド試料は、イオン液体を加えていない酸化物ガラスに比べて導電率が約4桁増加し、室温において2×10^-4Scm^-1の値を示した。また、導電率の温度依存性から求めた伝導の活性化エネルギーは、イオン液体の導入によって小さくなることがわかった。よって、ガラス電解質とイオン液体をハイブリッド化することによって、高イオン伝導性固体電解質の得られることがわかった。
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Research Products
(5 results)