2010 Fiscal Year Annual Research Report
イオン伝導性固体とイオン液体のハイブリッド化による新規固体電解質の創製
Project/Area Number |
21656165
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
林 晃敏 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (10364027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辰己砂 昌弘 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (50137238)
忠永 清治 大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (90244657)
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Keywords | 固体電解質 / ハイブリッド / イオン液体 / 全固体電池 / リチウム電池 / メカノケミストリー |
Research Abstract |
本年度は硫化物固体電解質の導電率向上を目的として、メカノケミカル法を用いたLi_2S-P_2S_5系ガラスとイオン液体の複合化について検討した。75Li_2S・25P_2S_5(mol%)ガラスへ様々なイオン液体を添加し、遊星型ボールミル装置を用いたミリング処理を行うことによって電解質を作製した。その結果、1-ethyl-3-methylimidazolium bis(fluorosulfonyl)amide([EMII[FSA])がガラスの導電率向上に効果のあることがわかった。75Li_2S・25P_2S_5(mol%)ガラスへ10mol%の[EMI][FSA]を添加することによって、ガラスの室温導電率が3.8×10^<-4>Scm^<-1>から7.3×10^<-4>Scm^<-1>へと増加した。さらに、あらかじめリチウム塩lithium bis(trifluoromethanesulfonyl)amide Li[TFSA]を溶解しておいた[EMI][FSA]を添加して得られた電解質は、室温で10^<-3>Scm^<-1>以上の導電率を示した。またサイクリックボルタンメトリーより、この電解質は約5Vの電位窓を有することがわかった。ラマン分光測定の結果、作製した電解質中には、出発物質である硫化物ガラスおよびイオン液体の構成イオン種(PS_4^<3->や[EMI]^+、[FSI]^-)が分解せずに存在していることがわかった。一方、[EMI]BF_4を添加して得られた電解質では、母ガラスと比較して導電率が大きく減少し、これはミリング処理によるBF_4^-の分解に起因していると考えられた。以上の結果から、導電率が高く化学的に安定なイオン液体との複合化が、硫化物ガラス電解質の導電率向上に有効であると結論づけた。
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Research Products
(9 results)