2009 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ電解酸化法による新奇セラミックコーティング開発
Project/Area Number |
21656184
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
赤津 隆 Tokyo Institute of Technology, 応用セラミックス研究所, 准教授 (40231807)
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Keywords | プラズマ電解酸化 / 酸化チタン / 生体活性 / 光触媒活性 |
Research Abstract |
チタンおよびチタン合金は高い生体適合性を有することから、生体材料として広く利用されている。しかし、チタンと骨との接合強度が十分には高くないため、接合部分が剥離してしまう危険を免れない。その低い接合強度はチタン表面でのアパタイト形成能(生体活性)が低いことに起因している。平成21年度は、プラズマ電解酸化法によってチタン表面に酸化チタン(アナターゼ)膜を形成させ、酸化チタンがもつ高い生体活性を活用して、チタンおよびチタン合金表面に生体活性を付与することを研究目的とした。さらに、表面に形成させる酸化チタンは光触媒活性を有する物質であるので、光触媒活性を併せもたせることにより、紫外線照射によって生体内導入前の殺菌工程の簡略化が可能となる。生体活性と光触媒活性を併せもつ表面処理法を探索した。その結果、電解質である酢酸アンモニウム濃度が高くなるほど、酸化チタンの結晶化が促進され、生体活性が高くなることがわかった。アナターゼの(101)が表面に現れると、その端末がOH基に修飾されるため、表面がマイナスの電荷で覆われ、Ca^<2+>が表面に誘引される結果、アパタイトの形成が促進したと考えられる。酢酸アンモニウム濃度が高くなるにつれて光触媒活性が高くなることがわかった。これは、酢酸アンモニウム濃度の増加により、光触媒活性の高いアナターゼ結晶の形成が促進されるためである。これらの結果と併せると、比較的高い酢酸アンモニウム濃度(~0.8mol/L)の電解液でプラズマ電解酸化されたチタン表面は生体活性と光触媒活性を併せもつことがわかった。
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