2010 Fiscal Year Annual Research Report
分光学的手法を用いた動的水素リテンション実時間計測法の開発
Project/Area Number |
21656235
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂本 瑞樹 九州大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (30235189)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 和俊 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (40227583)
|
Keywords | プラズマ・核融合 / 水素 / プラズマ・壁相互作用 / 水素透過 / 光学反射率 |
Research Abstract |
プラズマ対向壁は、プラズマとの相互作用により時々刻々とその表面状態を変化させていく。このようなプラズマ・壁相互作用(PWI)の総合的理解のためにはPWI計測が必要不可欠である。このために、材料中の水素透過と"Switchable Mirror"の原理を応用した分光学的手法による壁表面改質の実時間計測法を考案し、計測システムを構築した。これまでに、タングステン基板上のイットリウム薄膜とパラジウム薄膜の二重薄膜の水素吸蔵による光学特性を得た。さらに、本研究課題にて製作した計測システムを用いて、厚さ100μmのタングステンへの重水素プラズマ照射実験を行い、タングステン試料温度(Ts)を630Kから780Kの範囲で変化させ、タングステン試料のプラズマ照射面から背面へ向けての重水素透過フラックスを測定し、タングステン中の水素透過とタングステン基板温度との関係を得た。今回用いたタングステン試料では、試料温度が約630Kの際の重水素透過フラックスは約6x10^<17>D^2m^<-2>s^<-1>であり、この透過フラックスは試料温度とともに指数関数的に増加することが明らかとなった。その指数は0.014Tsであった。さらに、タングステン試料の表面改質の重水素吸蔵・透過特性を調べるために、タングステン試料にヘリウムプラズマを予め照射して、表面に数nm~200nm程度のヘリウムバブルを形成させた試料に重水素プラズマを照射し、昇温脱離法を用いて試料中の水素吸蔵量を評価した。この結果から、タングステン表面のヘリウムバブルが水素の拡散障壁となり、材料中の実効的水素透過を抑制させていることが示唆された。
|
Research Products
(4 results)