2009 Fiscal Year Annual Research Report
物理化学的解析に適した高分子量型クロマチン因子群の大量発現系の開発
Project/Area Number |
21657030
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
千田 俊哉 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, バイオメディシナル情報研究センター, 主任研究員 (30272868)
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Keywords | 大量発現系 / コリネ型細菌 / クロマチン因子 / 結晶化 / X線結晶構造解析 / タンパク質精製 |
Research Abstract |
ヌクレオソームの構造変換をつかさどる因子としてヒストンシャペロンと呼ばれる一群のヌクレオソーム構造変換因子が同定されてきたが、その分子機構については物理化学的な解析が進んでおらず未だ不明な点が多い。これは、高分子量型の核内のクロマチン因子に関して高純度な試料を大量に精製することが困難なためである。一般に高分子量型のクロマチン因子は大腸菌を用いての発現が難しいため、発現には昆虫細胞などの宿主を利用する。しかし、通常クロマチン因子は真核生物内で高度に保存されているため、昆虫細胞由来のヒストンなどと複合体を形成してしまう。このため、これらを取り除く段階で試料の回収率が低下し、物理化学実験に耐えうる高純度サンプルを大量調製することが難しいという問題がある。そこで本研究では、真核生物のホスト由来因子を含まないコリネ型細菌を用いた新たなタンパク質高発現系を開発し、上記の問題を回避できる発現系を構築することにした。平成21年度は、発現誘導に有効だと考えられるプロモータを利用してコリネ型細菌によるタンパク質発現系を構築し、ヒストンシャペロン類の発現、精製を行うことを計画した。具体的には、コリネ型細菌内でLacプロモータを利用した外来蛋白質用の発現ベクターの作成と実際の発現を試みた。しかし、コリネ型細菌内で目的タンパク質の有意な発現を認めることができなかった。そこで現在は、コリネ型細菌内でのプロモータ活性がLacプロモータよりも強いといわれている大腸菌用のTacプロモータおよびコリネ型細菌由来のCspBプロモータを使い目的タンパク質の発現を確認中である。
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Research Products
(2 results)