2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21658057
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
窪野 高徳 独立行政法人森林総合研究所, 森林微生物研究領域, 領域長 (80353671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋庭 満輝 独立行政法人森林総合研究所, 森林微生物研究領域, 主任研究員 (50353553)
市原 優 独立行政法人森林総合研究所, 東北支所, 主任研究員 (10353583)
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Keywords | スギ / 花粉症 / 菌類 / 飛散防止技術 / 開発研究 |
Research Abstract |
スギ花粉の飛散防止を目的に、Leptosphaerulina japonicaを用いて実用化が可能な散布処理法を開発する。当年度は、雄花の生育段階に沿って接種試験を行い、最適接種時期を特定する実験を行った。接種木は森林総合研究所内実験林に植栽された約20年生のスギ樹を1本使用した。10月22日、11月17日、12月7日、12月25日、翌年1月31日及び2月2日の合計6回、雄花着生枝に対して接種試験を実施した。接種源はL.japonicaを約2週間米ぬか+ふすま培地に培養した菌糸体を用いた。接種本数は毎月20本とした。接種1ヶ月後に、枯死した雄花をカウントした。枯死雄花に対しては接種菌の再分離を行った。以上の接種結果を基に、雄花枯死を人工的に導く処理法について最適接種時期を特定した。その結果、10月22日接種で1本(5%)、11月7日接種で6本(30%)、12月7日接種で8本(40%)、12月25日接種で2本(10%)の枯死雄花が得られた。しかし、1月31日及び2月2日接種では枯死雄花は発生しなかった。枯死雄花からは接種菌が再分離され、コッホの原則が満たされた。以上の結果、人工接種試験によって、10月下旬から12月下旬において枯死雄花が比較的高率で発症したことから、最適な接種時期は秋季から初冬と推察された。今後は、今回得られた最適接種時期を基に、効率的なスギ花粉飛散抑制技術の開発研究に取り組む。
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Research Products
(3 results)