2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21658082
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
颯田 尚哉 Iwate University, 農学部, 教授 (20196207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立石 貴浩 岩手大学, 農学部, 准教授 (00359499)
高木 浩一 岩手大学, 工学部, 准教授 (00216615)
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Keywords | 水中放電 / 殺菌 / 養液栽培 / 養液再生 / 過酸化水素 / 窒素溶解 |
Research Abstract |
農産物の安全・安心確保の観点から、養液栽培の重要度が増している。養液栽培はコストを削減することが課題であり、水中放電による殺菌と窒素供給効果による低コスト養液再生方法の開発を試みた。 (1)養液栽培は栽培槽と補充槽からなり、補充槽は水中放電のリアクタを兼ね、平板・線電極として設計し検討を開始したが、これでは実用化するに当たって新規にリアクタとして機能する補充槽を制作する必要があり、コストを押上げてしまう。そこで、ガラス管にsus線をいれ、既設の補充槽に差込む針・平板電極の水中放電システムを別途・開発作成した。電源には、産業用に安定して作動する磁気パルス圧縮回路を用いた。 500mlのトールビーカーを補充槽兼リアクタとし、開発した針・平板電極を用いて、菌の不活性化と窒素の溶解効果を検討した。学内の池の水について60分通気放電したことろ、平板培地法で求めた一般細菌数は、1桁程度減少した。土壌抽出水への放電では、糸状菌が多くCFU評価に至らなかったが、目視で平板培地上の減少を確認し、一般環境中の細菌を不活化できることが分かった。モデル細菌として酵母を用い導入ガスの種類を変えた(60分放電)ところ、空気、酸素、窒素、Arについてそれぞれ、1.58,0,0.45,0,39logCFU/mLの減少効果があり、酸素が特に有効であることがわかった。検鏡したところ酵母の形状に変化はなく、細胞内の化学変化が原因と示唆された。精製水に空気を用いて60分放電したところ硝酸態窒素濃度は、15mg/Lほどであり窒素供給能力はあるが、pHは3.2まで低下した。 (2)放電で生成し細菌を不活化する化学種に過酸化水素があり。その濃度を把握するともに、コマツナの発芽への影響と成長への影響について検討した。精製水に空気を用いて60分放電したところ、過酸化水素濃度は3mg/Lほどであった。発芽実験では、過酸化水素0-100mg/Lで発芽率に影響しなかった。0-10mg/Lで28日間のポット栽培したところ草丈に影響しなかったが、乾燥重量はやや減少した。
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