2009 Fiscal Year Annual Research Report
微生物による重金属とセレン・テルルの同時回収、発光性半導体微粒子への変換
Project/Area Number |
21658114
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
阪口 利文 Prefectural University of Hiroshima, 生命環境学部, 准教授 (10272999)
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Keywords | ナノ微粒子合成 / 資源回収 / 微生物 / レアエレメント / 化合物半導体 |
Research Abstract |
申請者らは微生物によるセレン・テルルオキサニオンの不溶性化に関する研究を進める中で、微生物の酸化還元代謝を用いてCdSeやCdTeなどのナノ微粒子を形成できることを確認した。CdSe,CdTe合成に関与する微生物を特定するために、嫌気ジャー・プレート法などを用いてCdSe,CdTe微粒子の合成が確認されている集積培養体から、微生物株の純化・分離を行った。得られた分離株については、16SrDNAの塩基配列に基づく系統分類を実施し、種属同定や分離株の呼吸代謝の類推に利用したところ、エンテロバクター属の微生物によって微粒子合成が引き起こされていることが判明した。更に分離株のみを用いてスクリーニングの際使用した培地や新たに考案した増殖培地に接種し、集積培養体のものと同様の変化がみられることを指標に、結晶粒子の合成を行う微生物株の獲得に努めた。また、CdSe,CdTe微粒子の合成が確認されている集積培養体についても変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)などを行うことで、CdSe,CdTe微粒子の生成工程に関わる微生物群集の構成変化を調査し、合成に関与する微生物種についての知見を明らかにした。さらに微生物の培養に伴い菌体に生成したナノ結晶粒子の存在を透過型電子顕微鏡で詳細にわたり観察した。電子顕微鏡観察と同時に、菌体(培養液)から効率的に生成したCdSe,CdTeナノ微粒子を回収するために超音破砕機やリゾチーム、プロテアーゼ酵素処理などによる微粒子の抽出を検討することで最適抽出条件やその工程の最適化について検討した。ま抽出した微粒子についても元素分析、電子顕微鏡などを用いた解析、同定に関する研究を遂行し、蛍光性を有する半導体微粒子が合成されていることを明にした。
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