2009 Fiscal Year Annual Research Report
血清マイクロRNAのエキソゾームを介した細胞伝播性の解析-バイオマーカーへの応用
Project/Area Number |
21659104
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Research Institution | Gifu International Institute of Biotechnology |
Principal Investigator |
飯尾 明生 Gifu International Institute of Biotechnology, 腫瘍医学研究部, 研究員 (80344349)
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Keywords | exosome / microRNA / 腫瘍 / バイオマーカー |
Research Abstract |
ヒト単球系細胞株THP-1をTPAにより分化誘導したマクロファージにCy5ラベルしたmiR-143をtransfectし無血清培養すると、microRNAを包埋したexosomeが細胞外に分泌されることを電子顕微鏡により確認した。このexosomeをヒト大腸癌細胞株DLD-1培養液に加えた後、Ago2抗体ビーズを用いたRIP法により細胞からmicroRNAを抽出したところ、miR-143が効率良くRISCに取り込まれていることがわかった。また、この際、THP-1マクロファージへのmicroRNAの導入効率とexosomeへの包埋効率が、用いたリポソームの大きさによって異なることがわかった。次に、このmicroRNAを導入したTHP-1マクロファージを担癌ヌードマウスに静脈注射し、マウス体内でのmicroRNAの動態を調べたところ、血清中にexosomeに包埋されたmicroRNAが分泌されていること、癌部でmicroRNAが増加していることが確認できた。このことはマクロファージを癌部へのexosomeを介したmicroRNAのキャリアーとして利用できる可能性を示唆している。一方、ヒト胃癌細胞株MKN-45の培養上清から精製したexosome画分を脂肪細胞へ分化誘導したマウス3T3-L1細胞の培養液に加えたところ、分化誘導が抑制された。この効果はある種のmicroRNAを導入した効果と同等であることから、exosome中のmicroRNAに分化誘導阻害活性がある可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)