2009 Fiscal Year Annual Research Report
クロスプライミング機能に関与する樹状細胞の機能的動態の解明
Project/Area Number |
21659123
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
改正 恒康 The Institute of Physical and Chemical Research, 生体防御研究チーム, チームリーダー (60224325)
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Keywords | 樹状細胞 / 樹状細胞サブセット / がん免疫 / ウイルス免疫 / クロスプライミング / 免疫アジュバント |
Research Abstract |
樹状細胞は免疫応答に必須の抗原提示細胞である。樹状細胞は不均一な細胞集団であり、いくつかの機能的に特化したサブセットにより構成されている。CD8陽性樹状細胞は、死滅した細胞を取り込む能力が高い。また、TLR3を発現しており、それにより二本鎖RNAに応答して、IL-12p40を産生すると共に、CD8陽性T細胞の分化能力を増強する。この機能はクロスプライミングと呼ばれ、抗ウイルス免疫、抗がん免疫に非常に重要であると考えられている。しかし、CD8陽性樹状細胞の数は非常に少なく、その生体内での動態、機能的意義は不明の部分が多い。現在、CD8陽性樹状細胞、CD8陰性樹状細胞、形質細胞様樹状細胞(pDC)、骨髄由来単球様樹状細胞、線維芽細胞の遺伝子発現プロフィールを比較、解析することにより、CD8陽性樹状細胞特異的発現を示す遺伝子Xに焦点を当てている。まず、Xの遺伝子座にYFP(Venus)遺伝子をノックインしたマウスを樹立した。そしてこのマウスの脾臓、リンパ節(鼠径部、膝下部、腸間膜など)のFACS解析を行った。どの組織においても、期待通りにCD8陽性樹状細胞特異的にYFPが検出された。さらに、組織の凍結標本を作製し、免疫組織学的に細胞の局在を検討中である。また、この遺伝子Xのヘテロマウス、あるいはホモマウスを用いて、卵白アルブミン(OVA)の抗原を種々のアジュバント(poly(I:C)などの二本鎖RNA,完全フロイントアジュバント)と共に免疫した後の、OVAと反応するCD8陽性T細胞の頻度、増殖能、IFN-γ産生能などを検討中である。
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Research Products
(23 results)