2010 Fiscal Year Annual Research Report
クロスプライミング機能に関与する樹状細胞の機能的動態の解明
Project/Area Number |
21659123
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
改正 恒康 独立行政法人理化学研究所, 生体防御研究チーム, チームリーダー (60224325)
|
Keywords | 樹状細胞 / 樹状細胞サブセット / がん免疫 / ウイルス免疫 / クロスプライミング / 免疫アジュバント |
Research Abstract |
樹状細胞は免疫応答に必須の抗原提示細胞である。樹状細胞は不均一な細胞集団であり、いくつかの機能的に特化したサブセットにより構成されている。マウスにおいて、CD8陽性樹状細胞(CD8+DC)と呼ばれる樹状細胞サブセットは、死滅した細胞を取り込む能力が高い。また、TLR3を発現しており、それにより二本鎖RNAに応答して、IL-12p40を産生すると共に、CD8陽性T細胞の分化能力を増強する。この機能はクロスプライミングと呼ばれ、抗ウイルス免疫、抗がん免疫に非常に重要であると考えられている。しかし、CD8+DCの動態を制御する分子機構については不明の部分が多い。本研究では、CD8+DC特異的発現を示すケモカイン受容体遺伝子Xcr1をDNAマイクロアレイを用いて見出した。ヒトではBDCA3陽性樹状細胞(BDCA3+DC)が、遺伝子発現パターン等からCD8+DCに相当すると考えられているが、ヒトXcr1もBDCA3+DC特異的な発現を示した。Xcr1のリガンドであるXcl1の発現は、NK細胞において恒常的に高く、IL-2の添加によりさらに発現が増強された。また、活性化CD4陽性T細胞にはほとんど発現されていなかったが、CD8陽性T細胞を活性化した場合、迅速で高い発現が誘導された。Xcr1と同様に、Xcl1の発現パターンも、ヒト、マウスにおいてほぼ一致していた。このように、ケモカインシステムXCR1/XCL1は、自然免疫獲得免疫双方の細胞障害性応答に関与している可能性が示唆された。
|
Research Products
(32 results)