2010 Fiscal Year Annual Research Report
偏光を用いた脳神経機能・組織の術中顕微鏡下イメージングの開発
Project/Area Number |
21659336
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鮎澤 聡 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (20400682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 明 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 研究員 (80532481)
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Keywords | 偏光 / 生体の機能 / 複屈折 / 手術顕微鏡 |
Research Abstract |
偏光を用いて複屈折という指標から組織の機能を可視的に同定を試みると共に、偏光の特性を生かした脳神経外科手術に有用な顕微鏡下での観察系を開発することが本研究の目的である。前者について、前年度から継続して脳神経組織の複屈折の鏡視下観察を様々な条件下に試みてきたが、反射光での観察は、表面の散乱光が除去できないことなどから、困難であることがわかった。今後、鏡視下肉眼観察ではなくマシンビジョンを用いた観察を検討していく予定とした。一方、ラットを用いた実験系において、偏光を用いて逆に反射光をカットして組織の観察を行うと、平常光での観察とかなり見え方が異なり、条件によっては微細な構造がコントラスト良く観察され、細い血管や神経、あるいは組織の弁別に有用であることがわかってきた。このことから、上記の検討と平行して、手術用顕微鏡と基本構成を同じくする実体顕微鏡で反射光による偏光観察ができるようにすることを試みた。この際、既存の顕微鏡を単純に改造するのみでは偏光観測に充分な光学系を満たさないことがわかった。同様に、従来型の既存の手術用顕微鏡の改造では偏光観察が困難であることもわかった。また、偏光照明の方法や照明に用いる光の波長や平行度などが大きく観察結果に影響することもわかった。これらをふまえて次年度は、従来型の手術用顕微鏡ではなく、上記のこれまで得られた要件を満たす観察に適切な顕微鏡の開発を行う予定とする。
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