2011 Fiscal Year Annual Research Report
偏光を用いた脳神経機能・組織の術中顕微鏡下イメージングの開発
Project/Area Number |
21659336
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鮎澤 聡 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20400682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 明 筑波大学, 最先端サイバニクス研究コア, 研究員 (80532481)
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Keywords | 偏光 / 複屈折 / 生体機能 / 手術顕微鏡 |
Research Abstract |
前年度までの検討をもとに、単眼鏡筒を用いた偏光観測の観察系を新たに組み立てた。当初、同軸落射型の照明を用いて構築したが十分な結果が得られないため、さらに照明に関する検討を重ね、最終的にリング型照明が比較的良好であったためそれを用いてプロトタイプを作成した。しかし、光源の光量が不足するなどいくつかの問題を解決できず、実際の術野での有用性を確認するには至らなかった。 従来の偏光顕微鏡を用いた複屈折に関する基礎研究も平行して行ったが、ラット脳の観察において、これまで反射観測で困難と思われた複屈折の同定が、絞りを狭く設定することで肉眼的にある程度観察可能なことがわかった。ただしこの方法では観察範囲が極めて狭い範囲に限られてしまい、手術野への応用は困難と思われた。またラットでの実験系においても呼吸による体動で連続的な観察が不可能であり時間的変化の観察はできず、現状では機能との関連を調べることは困難であった。 一方、当初から継続していた小生物(ミジンコ)のモデルでの検討も継続したが、こちらは、これまで得られた観察条件の工夫により従来指摘されていない筋組織が初めて同定されたため、学会報告した。 これまでの結果からは、当初の目的である複屈折という指標から組織の機能を顕微鏡下に可視的に同定・弁別することは、実際の術野のような広い範囲では困難であることがわかった。しかしながら、狭い領域での定性的な評価の可能性は残されており、また、これを肉眼的観察にこだわらずマシンビジョンを用いれば、近赤外光などの非可視光を用いることで散乱を押さえた観察が有用となる可能性がある。
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Research Products
(1 results)