2009 Fiscal Year Annual Research Report
Rho/mDiaシグナルを用いた脳腫瘍幹細胞のエピジェネティクス制御への挑戦
Project/Area Number |
21659339
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荒川 芳輝 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (20378649)
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Keywords | 腫瘍幹細胞 / CD133 / エピジェネティック / グリオーマ / 分化誘導 / Rho / 接着因子 / FRET |
Research Abstract |
胎生期幹細胞と、成体組織特異的幹細胞、更に想定されている固形癌における癌幹細胞との関連を膵臓形成と成体膵、膵癌をモデルに検証しようという発想に基づいて本研究を起草した。臓器形成におけるSox9陽性未分化内胚葉上皮からの胎生膵幹細胞マーカーptf1aの発現誘導こそが膵幹細胞としての特性獲得の重要ステップと考え、ptf1a上位制御システムの解明を目指した。我々が報告したHes1ノックアウトマウスにおける異所性膵形成を基に、Notchシグナル阻害剤添加下の組織培養とptf1a genetic lineage tracingを組み合わせてシャーレ上での異所性膵形成を観察することを骨子とし、それを促進・阻害する細胞外シグナルを同定しようとするものであった。ところが、実際のtissue culture那思うように機能せず、Notchシグナル阻害剤添加と同時に組織が死滅するに至り、実験手法そのものの変更を余儀なくされた。当初、2年目に計画していたSox9陽性細胞の解析から、成体膵管構造に含まれるSox9陽性細胞が既に自己複製能を有する膵外分泌幹細胞として機能し、生理的条件で持続的にptf1a陽性腺房細胞を供給すること、成体内分泌細胞には分化しないことが判明した。一方、胎生Sox9陽性細胞は出生直後までは内分泌細胞への分化能を保持していた。胎生および成体膵からSox9陽性細胞をセル・ソーティングして培養しても同様の結果であった。当初の研究目的達成はならなかったものの、成体膵外分泌幹細胞マーカーとしてのSox9の意義を明らかとした。今後は胎生期および成体膵由来Sox9陽性細胞の遺伝子発現プロファイリングの比較や成体膵由来Sox9陽性細と胎児膵組織との共培養系などによってptf1a上位制御システムの解明に迫りたい。
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