2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノプロセスによるアパタイト結晶誘導技術の開発とエナメル質再生治療への応用
Project/Area Number |
21659474
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷本 幸太郎 Hiroshima University, 病院, 講師 (20322240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 伸明 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90397969)
丹根 一夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30159032)
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Keywords | エナメル蛋白 / バイオミネラリゼーション / 初期ウ蝕 / アメロゲニン / ハイドロキシアパタイト / エナメル質 |
Research Abstract |
本年度では、ヒトリコンビナントアメロゲニンを用い、in vitroハイドロキシアパタイト結晶誘導モデルにおける最適な反応溶液の至適条件を検討することを目的とした。 1) アメロゲニンによるバイオミネラリゼーションのための反応溶液の開発 ヒトリコンビナントアメロゲニンを精製し、水溶液中に溶解したところ、高濃度条件において、蛋白の凝集(nanosphere)が認められた。また、ハイドロキシアパタイト結晶を誘導するためには、過飽和のカルシウムイオンおよびリン酸イオンが存在することが必要である。至適条件として、0.5mM硝酸カルシウムおよび2.5mMリン酸ナトリウムを含有する反応液を用いる事とし、これにヒトリコンビナントアメロゲニンを溶解したところ、同様にnanosphereの形成が認められた。さらに、反応液にフッ化ナトリウムを添加した場合の、nanosphereの形成への明確な影響は認められなかった。 実験2アメロゲニンによる実験的ハイドロキシアパタイト結晶成長誘導に対する反応溶液の組成の影響の検討 実験1で作製した0.5mM硝酸カルシウムおよび2.5mMリン酸ナトリウムを含有する反応液中にアメロゲニンnanosphereを混入することにより、実験的にハイドロキシアパタイト結晶が誘導されることがデジタル実体顕微鏡および原子間力顕微鏡(AFM)を用いた観察により明らかとなった。生成したハイドロキシアパタイトでは、c軸方向への成長が認められた。フッ化ナトリウムを反応液に添加することによる、ハイドロキシアパタイト結晶誘導に対する影響は明確には認められなかった
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