Research Abstract |
【平成23年度]平成23年度の計画は,実験室実験:各介入要図を抽出して操作し,影響を実験データで検読すること及び実験デザインを確定↓,認知評価,行動評価の手法でエラーを起こしやすい群(高群)と起こしにくい群(低群)の学生を比較することであった。《研究の概要1》「メモ」と「聞き直し」の記憶補助の効果を検読すると共に,被験者がどのようにゲームを捉えているのかを明らかにすることを目的とした。併せて,ゲーム被験前後の医療安全に関する意識変容を検討した。1.調査対象はA大学看護学生4回生2.対象者:被験者54名と非被験者24名3.調査時期・方法:平成23年10月5日4.調査内容:1)本調査では,a.メモありb.聞くだけc.聞き直しの3群を設定し,記憶補助の効果を検証した。さらに、学びの自由記述を基に、数量化三類を用いてカテゴリーの分析を行った。また、ゲームにおける心理的:負担感を問う設問15項目において5段階評価させた。2)医療安全に対する意識変容についてゲーム調査前後に評定用紙を用い,対応のあるt検定を用いて分析した。更に非被験群との比較を行い,ゲーム体験による医療安全に関する意識の差を分析した。多重課題による作業中断状況では、メモをすることによって記憶の保持に繋がることが実証された。またメモの重要性に関する学びが得られており,ゲームを通してその効果を体験したと推察される。《研究の概要2》思い込みによるエラー経験の効果を検証すると共に,ゲームが学生にもたらす心理効果を明らかにすることを目的とした。調査対象は、研究1と同様。方法:1)学生を8チーム4群に分けた。群分けは以下の通りである。[条件]1群:ラベル詳細小文字群,2群:小さい文字群,3群:大きい文字群,4群:注意書き群とした。各群の正解数(指示内容との一致)と所要時間について,分析を行った。 [実施方法]各チームに対し前から順番に,封筒から物品名が書かれた紙を取り,その物品を物品置き場から取ってくるように指示。形状や名称が似ている物品も混ぜて並べた。リレー終了後,記載した物品名と取ってきた物品が一致しているかを,点検した。結果から,類似した物品は間違いやすく,時間切迫などによる心理的状況により,確認する作業を怠る傾向があることが明らかになった。また文字の大きさや見やすさも,思い込みに影響することが示唆された。今回のゲーム体験を通して,学生は多くの学びを得ており,これらは今後の医療事故対策や教育を考えて行く上で,重要な意味を持つことが明らかになった。
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