2011 Fiscal Year Annual Research Report
成育医療的視点での家族支援に向けた包括的調査による小児脳腫瘍患児・家族の実態解明
Project/Area Number |
21659516
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上別府 圭子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70337856)
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Keywords | QOL / 健康関連QOL / 家族看護学 / 小児 / サバイバー / 親 / 脳腫瘍 / がん |
Research Abstract |
平成22年度に実施した小児脳腫瘍経験者と家族の実態の全体像を明らかにするための横断的調査により得られた、診療情報、質問紙、および認知機能検査結果のデータ入力、クリーニングおよび解析を行なった。 診療情報が得られた138名の概要は次の通りである:男性77名(74%)、平均年齢21.0歳(SD 7.9)、診断時平均年齢11.4歳(SD 4.3)、腫瘍の種類はジャーミノーマ44名(42%)、その他の胚細胞腫11名(11%)、低悪性度神経膠腫20名(19%)、髄芽腫/PNET 11名(11%)であり、再発経験者は16名(15%)であった。 本研究で対象となった経験者および保護者の特徴を把握するために、有効回答者とそれ以外(無効回答および無回答)の者の属性を比較した。質問紙の有効回答は、平成23年5月までに回収した質問紙106組のうち、健康関連QOL尺度得点に欠損の多い2通を除いた、104組ぶんの質問紙とした。有効回答とそれ以外の回答との間で、診療情報に有意差は見られなかった。認知機能検査の有効回答は、質問紙の有効回答があった104名の経験者のうち、認知機能検査を受けた24名ぶんの結果とした。認知機能検査の有効回答者は、それ以外の80名と比べて年齢が高く(+5.5歳,SE1.9)、治療終了後年数が経っている(+4.6年,SE2.0)傾向が見られた。 以上より、認知機能検査を受けた対象者が比較的経過年数が長く年齢が高い傾向にあることに留意すれば、日本における現在12歳以上の小児脳腫瘍経験者とその保護者という母集団から大きな偏りはないと考えられる集団であった。解析により、経験者の健康関連QOL、心理的状況(心的外傷後ストレス症状、外傷後成長など)、社会的状況(学歴・就職歴、経済状況、家族機能など)、受療状況、告知状況、認知機能(注意機能、遂行機能など)、保護者の健康関連QOL、心理的状況などに関する解析結果を得た。
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Research Products
(11 results)