2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造化糖鎖素子を介した機能糖鎖集密化バイオマテリアルの創出
Project/Area Number |
21678002
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
北岡 卓也 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 准教授 (90304766)
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Keywords | 糖鎖 / 酵素反応 / 自己組織化 / 分子配向制御 / 細胞培養 / バイオインターフェース / 表面・界面物性 / 生体材料 |
Research Abstract |
ナノ工学とバイオ技術の融合による生体機能材料の研究が盛んに行われているが、医用材料分野で注目の糖鎖材料の機能開発は遅れている。本研究では、独自の「非水系酵素触媒反応による糖鎖合成」と「構造性糖鎖の集積造膜技術」の融合・先進化により、生命現象に直結する糖鎖の構造と機能を模倣した新規糖鎖系バイオマテリアルの創出を目指す。本年度は、オリゴ糖アセンブリの生体機能について、その人為的再現と材料工学的応用に向けて、樹木細胞壁の構成糖であるセルロースを「ナノ構造化素子」として機能利用するコンセプトを多面的に検討した。 1. 非水系酵素触媒反応による疎水性アルコールの一段階ラクトシル化 ラクトースと疎水性アルコールの共通良溶媒であるDMIを反応場として、界面活性剤被覆酵素を用いた非水系酵素触媒反応により、1-Hexanol;16.2%,1-Octanol;14.0%,1-Dodecanol;9.5%,1-Octadecanol;8.4%の高収率を得た。これは、未修飾の糖ドナーを水不溶性のアクセプターに酵素で直接配糖体化する新技術である。 2. セロオリゴ糖の構造部位を持つ生理機能糖の合成 セロペンタオースの非還元末端部位にガラクトースを有するヘテロオリゴ糖を有機合成的手法により合成した。 3. 糖鎖集積界面の設計 セロヘキサオースとキトヘキサオースの還元末端選択的S誘導体化と金基板への自己組織化により、任意の割合で糖鎖が集密化した糖鎖界面の設計を試み、レクチン・細胞アッセイによる表面糖鎖機能との相関性を評価した。 4. 逆ミセルを反応場とする糖鎖集密化金ナノ粒子の合成 界面活性剤AOTを用いてドデカン中でNMMOを水相とする逆ミセルを形成させ、単分散(8.5nm±0.7nm)の金ナノ粒子の合成と同時に糖鎖を表面修飾することに成功した。ConAアッセイにより、表面糖の認識を確認した。
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Research Products
(27 results)