2013 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造化糖鎖素子を介した機能糖鎖集密化バイオマテリアルの創出
Project/Area Number |
21678002
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
北岡 卓也 九州大学, 大学院農学研究院, 教授 (90304766)
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Project Period (FY) |
2009-05-11 – 2014-03-31
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Keywords | 糖鎖 / 酵素反応 / 自己組織化 / ハイブリッド膜 / 密度制御 / 細胞培養 / 免疫応答 / バイオインターフェース |
Research Abstract |
ナノ・バイオ融合研究の発展にともない、医工学分野で注目の糖鎖についても新規バイオマテリアルの開発機運が高まっている。本研究では、独自の「非水系酵素反応による糖鎖合成」と「構造性糖鎖の集積造膜技術」により、培養細胞の生体反応に直接働きかけるバイオインターフェース材料の開発を行ってきた。最終年度は以下の重要な成果を得て、「グライコナノアーキテクトニクス」の研究基盤を構築した。 1. プロトンアシスト非水系酵素触媒反応による糖鎖合成法の確立 FDA認可の糖脂質アナログ非イオン性界面活性剤により、高活性な保護酵素の調製が可能になった。有機酸の共触媒効果が非水系で酵素活性部位のプロトン化に起因することを見出し、種々の糖鎖合成の高効率化を達成した。 2. 糖鎖ハイブリッド集積膜の設計法の確立 重合度2~6のセロオリゴ糖の還元末端基をS誘導体化してナノ構造化素子として利用し、0.1~0.8chain/n㎡の密度範囲で生理機能オリゴ糖の制御を達成した。レクチン認識レベルで均一なナノ構造界面の設計に成功した。 3. 糖鎖系バイオインターフェース機能の高発現 マイクロパターニング技術の導入で様々な形状・配列に設計した糖鎖ハイブリッド集積膜上で、HepG2細胞やHEK293細胞胞等を培養し、細胞種に応じた生体応答を確認した。特に、筋芽細胞C2C12をマイクロレール上で培養したところ、細胞サイズの10倍程度の幅で顕著に一軸配向が起こり、筋管細胞への分化誘導・集合が認められた。 4. 細胞免疫シグナル伝達系の直接活性化技術の開発 TLR2発現HEK293細胞を用いた細胞アッセイにより、特定の糖鎖密度で自然免疫系の応答反応が著しく増大する現象を定量的に明らかにした。細胞と接する基材界面からの生体刺激で細胞動態を制御するマテリアルセラピーの概念を実証するもので、グライコナノアーキテクトニクスの大きな成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(13 results)