Research Abstract |
本研究は等身大ヒューマノイドによる柔軟物の認識操作手法の確立を目的とし,形状認識法と操作計画法の各ソフトウェア・アルゴリズムの構築と,これを実現するための多指ハンド,高視力ステレオのハードウェアプラットフォームの拡張のソフト,ハード両面の要素技術を統合して等身大ヒューマノイドによる柔軟物認識操作行動を実現するものである.平成21年度は以下の3つの研究項目を実施した. 爪先構造と分布触覚センサを特徴とする多指ハンド,等身大ヒューマノイドプラットフォームと接続して微小物体の認識操作の実現可能性を検討した.本研究では微小物体としてM3ネジを取り上げ,このような従来のロボットハンドでは扱いが困難な小さい物体でも,開発した多指ハンドの指先構造,分布触覚により転がし操作と,操作時の物体位置の認識が可能であることを確認した. また,視覚による形状抽出と指先感覚による検証に基づく柔軟物形状認識として,色領域抽出法,動的輪郭追跡法,三次元特徴点検出法を組み合わせた非剛体の三次元形状認識法を構築した.これにより,従来の剛体を仮定した物体認識法では困難であった多,両手で布の端を持てているかの認識や,ロボット次に掴むべき布の端点の位置の認識が可能になった.さらに,指先の分布触覚,滑り感覚,手首の力感覚を利用した柔軟物操作状態の認識に取り組み,これに必要なセンサ仕様について知見を得た. 最後に等身大ヒューマノイドが机の上に置かれたタオルつかみ展開する動作を構築し,開発したセンサや認識処理の実世界・実動作における有効性を検証した.視覚による柔軟物形状認識手法を柔軟物操作における各動作の成功,不成功を判断する動作検証プロセスに適用することで,柔軟物操作タスクの成功率の向上に寄与することがわかり,このような構造を含んだ認識操作機構の試作を始めた.
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