2009 Fiscal Year Annual Research Report
実行機能を中間表現型とした心理-脳神経プロファイルに基づくADHDアセスメント
Project/Area Number |
21683007
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
大村 一史 Yamagata University, 地域教育文化学部, 准教授 (90431634)
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Keywords | ADHD / 実験系心理学 / アセスメント / 脳・神経 |
Research Abstract |
初年度の研究導入期間では、次年度以降の研究をスムーズに進めていくために環境整備を中心に行った。まず、本研究的資金により高性能多チャンネル脳波計を導入し、実験室環境の整備、予備実験の実施等のセットアップ作業を入念に行った。予算執行の事務手続きの関係上、脳波計導入が年度後半となったために、前半は行動抑制課題であるStop-signal課題、連続遂行課題(Continuous Performance Task : CPT)、Go/NoGo課題、時間評価課題等の実験プログラムを作成し、本研究で使用する実験課題の妥当性・信頼性を検討した。また教育現場における特別支援コーディネーターへの研修を通じて、実験室-教室間の連携を築き、当該地域で本研究を遂行しやすい地盤を固めた。 脳波計導入後は、適切な脳波データ測定が可能な効率的な機器操作の習得や測定環境の最終的な整備などの実験実施体制を定期的な予備実験の繰り返しにより整えた。導入実験として、健常大学生20名を対象として、CPTを実施し、その課題成績および事象関連電位による脳活動を測定した。この心理生理実験と併せて、被験者の行動特性や生物学的個人差であるドーパミン関連およびセロトニン関連の遺伝子多型を説明変数として、課題成績・脳活動に各遺伝子多型がどのように影響するのかを検討するために、口腔内の細胞から遺伝情報を採取して分析を行った。さらに日常的な行動特性を捉えるために、衝動性傾向を測定するBIS-11尺度、ウェンダー・ユタ評価尺度やBIS/BAS尺度を実施した。収集するデータ範囲が多岐にわたるため、現在これらのデータは解析中であるが、今後これらの心理・生理・遺伝データを組み合わせた詳細かつ総合的な検討を経て、来年度以降の積極的な成果発信につなげていく予定である。
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Research Products
(1 results)