2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21684028
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
久保田 尚之 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, 研究員 (40359211)
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Keywords | 台風 / 長期変動 / 西部北太平洋 / データ収集 |
Research Abstract |
1.台風資料の収集 気象庁図書館から中央気象台作成の台風経路図1940-1950年を収集。研究協力者のBin Wangの協力を得て、上海台風研究所から1884-1957年の上海気象局作成の台風経路図を収集した。 2.台風資料の電子化 台風の位置情報に関して、中央気象台の1940-1950年の台風経路、上海気象局の1884-1957年の台風経路の電子化を行った。これで現存する主な4つの気象局の西部北太平洋域の19世紀末から20世紀前半の台風経路をすべて収集し、電子化した。 3.台風経路データセットの作製 4つの台風経路情報を一つの図に表記できるソフトを開発して、同一の台風経路を統合できる体制を整えて、着手した。西部北太平洋域の対象領域を定めて、同じように収集、電子化した地上気圧データを用いて、台風数の品質検査を行った。既存の20世紀後半の台風経路図と合わせることで、20世紀を通した西部北太平洋域の台風経路データセットを作製した。 4.研究成果の発信と研究協力者との議論 研究協力者の所属する台湾気象局、上海気象局に訪問し、招待講演やセミナーを通して、本課題の研究成果の発表を行い、広く情報の発信を行った。ハワイ大学に3カ月滞在し、研究協力者と共同研究を行い、本課題で収集、電子化した台風資料を用いた研究を進めた。 5.本課題で収集、電子化したデータを用いた解析 20世紀を通した台風の発生数は、西部北太平洋全域では長期トレンドは見られないものの、地域的には台風経路にトレンドが見られ、赤道に近い台風はより北に発生する傾向が、フィリピン海の台風は南シナ海にシフトする傾向が見られた。また、降水量を台風による降水量とモンスーンによる降水量に分けた解析をフィリピンから沖縄の地域を対象に行った。20世紀前半はフィリピンで降水量が多くなるが、台湾、沖縄では2000年代が最も多くなっていることが明らかにした。
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Research Products
(8 results)