2011 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー生成keV黒体光源で探る光電離・非熱平衡プラズマ現象
Project/Area Number |
21684034
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤岡 慎介 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 准教授 (40372635)
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Keywords | 高出力レーザー / プラズマ / 光電離 / 実験室天文学 / X線 |
Research Abstract |
〈光電離プラズマの放射性再結合連続X線計測〉黒体放射X線源である爆縮コアプラズマと光電離プラズマ源であるフッ化マグネシウムプラズマを同時に発生させ、光電離フッ化マグネシウム・プラズマを生成し、水素様フッ素イオンから放射される放射性再結合連続X線を計測した。斜入射型回折格子分光器を用い、フッ素とマグネシウムの光電離プラズマからのX線スペクトルを取得した。フッ素のヘリウム様イオンもしくは水素様イオンによる発光線とマグネシウムのヘリウム様イオンや水素様イオンによる発光線を確認し、傾きから背景電子温度が100eV程度であることを明らかに出来た。今後の課題として、フッ素やマグネシウム以外の元素による発光線が同時に多数観測され、計測精度が劣化することが判明した。〈爆縮コアプラズマを用いた光電離プラズマの吸収分光特性計測〉光電離プラズマの吸収分光特性は、光電離パラメータξの値によって大きく変化する。実験で計測されたマグネシウムの光電離プラズマの透過スペクトルをシミュレーションによる計算結果と比較すると、5-8mにおける吸収構造が極めて小さいことが明らかになった。これは計算結果と比較して、実験では、この波長域を吸収する低価数のマグネシウムイオンの存在比が少ないことが原因と考えられる。また、光電離パラメーターξが大きくなるに従って、3.5-5nmで透過率に変化が見られた。この変化は光電離パラメーターξが大きくなるにつれて、光電離が進行し、短波長側を吸収する高価数に電離したイオンの存在比が大きくなった為と考えられる。今後は、シミュレーションによる解析を進め、長波長側の吸収構造が見られなかった原因と、短波長側の変化をシミュレーションで再現できるかを確認し、論文化を行う。
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Research Products
(4 results)