2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21685011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
忍久保 洋 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50281100)
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Keywords | ポルフィリン / 遷移金属 / π共役系 / 触媒 / クロスカップリング / パラジウム / ホウ素 / 炭素-炭素結合生成 |
Research Abstract |
本研究では、テトラホウ素化ポルフィリンとテトラ(3-ブロモピリジル)ポルフィリンとの鈴木-宮浦カップリング反応について検討した。反応混合物を精査したところ、収率10%でポルフィリン四量体が得られることを見いだした。四量体のNMRスペクトルからこの化合物が高い対称性を有していることが分かった。目的としていたチューブ状ポルフィリンの生成を強く示唆する結果である。最終的に、このポルフィリン四量体の単結晶X線構造解析に成功した。期待した通り、チューブ状ポルフィリンの構造を有していることを明らかにした。また、この構造解析の結果からポルフィリンチューブ内の空孔の直径が約14Aであることが分かった。これは、C_<60>をチューブ内に取り込むのにちょうど適している。そこで、合成したチューブ状ポルフィリンがC_<60>を包摂するか紫外可視吸収スペクトルを用いて検討した。その結果、チューブ状ポルフィリンがC_<60>を取り込み1:1錯体を形成することが分かった。さらに、C_<60>を取り込んだチューブ状ポルフィリンの単結晶X線構造解析にも成功した。これらの測定から予期した通りチューブ内部にC_<60>が1つ包摂されていることが分かったが、予想外にチューブの外部にもC_<60>が包摂されていることを見いだした。チューブ状ポルフィリンを構成するそれぞれのポルフィリンに対して4つのC_<60>が接近し、チューブ状ポルフィリンとC_<60>が三次元ネットワークを形成していることが明らかとなった。
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Research Products
(24 results)