2009 Fiscal Year Annual Research Report
積層芳香環から成るπ-スタック型高分子の合成と応用
Project/Area Number |
21685012
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森崎 泰弘 Kyoto University, 工学研究科, 講師 (60332730)
|
Keywords | π-スタック高分子 / π-π相互作用 / 芳香環積層 / 電荷移動 / エネルギー移動 |
Research Abstract |
本年度の研究では、エレクトロニクス材料を指向したπ-スタック型高分子の合成を指向し、キサンテン化合物と各種芳香族化合物との重縮合により芳香環積層高分子を合成た。 具体的には、芳香族化合物として、3,6-置換カルバゾール、2,7-置換カルバゾール、オリゴフェニレン、オリゴチオフェンを選択し、これらをキサンテン骨格に配置することにより芳香環積層高分子の合成に成功した。 例えば、ビチオフェンをキサンテン骨格の4,5位に置換し、これを塩化鉄で処理することチオフェン部位が酸化的カップリング重合し、数平均分子量が5500に相当する高分子を得た。これは、クアテルチオフェンが7枚積層している高分子である。得られた高分子は一般的な溶媒に可溶であり、優れた成膜性を示した。また、熱重量測定を行ったところ、10%重量損失温度が約400度であり、熱に非常に安定であることが示された。すなわち、本ポリマーは各種分子デバイス(ホール輸送材料、導電性材料など)として使用するに充分安定であると言える。 また、置換位置の異なるカルバゾールがキサンテン骨格の4,5位に置換した高分子の合成にも成功した。3,6-置換カルバゾール積層高分子の末端に電子不足芳香環を配置した高分子では、光励起により積層3,6-置換カルバゾール部位から末端部位へのエネルギー移動が起こることを確認した。本高分子は空間を介してエネルギーを輸送する単一分子ワイヤーとしての応用が期待できる。
|
Research Products
(16 results)