2009 Fiscal Year Annual Research Report
ファセットデンドライト成長を利用した高品質薄板多結晶シリコンの成長技術の開発
Project/Area Number |
21686001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤原 航三 Tohoku University, 金属材料研究所, 准教授 (70332517)
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Keywords | シリコン / 融液成長 / ファセット界面 / 多結晶 / 太陽電池 / ファセットデンドライト |
Research Abstract |
本研究では、薄板多結晶シリコンの成長技術を開発するための要素技術として、「1.外部拘束下におけるSiの融液成長機構の解明」、「2.結晶粒界の形成機構の解明」、「3.ファセットデンドライトの成長機構の解明」を行う。本技術開発には、融液成長過程において、ファセットデンドライト成長を効果的に発現させることが重要となる。本年度は、新規にシリコンの融液成長過程のその場観察装置を導入した。本装置は、結晶成長界面に電場を印加することができ、薄板結晶の成長過程を直接観察することができる。 本装置を用いた実験により、ガラス板に挟まれた状態でシリコン融液から薄板結晶が成長する際、成長速度が臨界値より大きくなると、平坦な結晶成長界面に生じた揺らぎが成長し、{111}面で囲まれたファセット界面が形成されることがわかった(Phys. Rev.B,80(2009)174108)。これは、結晶成長に伴い発生する潜熱の影響で、成長界面前方の融液に負の温度勾配が形成されることに起因することが明らかとなった。このようなファセット界面が形成された後に、成長界面で双晶が形成されるとファセットデンドライトが発現する。一方、成長速度が臨界値より小さい場合は、平坦な成長界面のまま結晶は成長し、ファセット界面は形成されない。本研究では、成長界面の形状を平坦もしくはファセットに制御するための指針が明確となった。これにより、ファセットデンドライトの発現を、意図的に制御することが可能となった。
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