2009 Fiscal Year Annual Research Report
キャビテーション翼列における局所非定常流動構造の解明と数値解析モデル構築
Project/Area Number |
21686019
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡邉 聡 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 准教授 (50304738)
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Keywords | キャビテーション / 翼列 / ターボポンプ / 非定常流 / 数値流体力学解析 |
Research Abstract |
本研究では,(1)翼列のキャビテーション流れにおける非定常流動構造の解明と詳細データベースの構築を行うことを第一の目標とし,(2)キャビテーション不安定現象を定量的に実現可能なキャビテーションCFD(数値流体力学)モデルを考案することを第二の目標としている.以下に,今年度のそれぞれの研究成果を述べる. 1. 翼列のキャビテーション流れにおける非定常流動構造 これまで観察されたことのない静止翼列のキャビテーション流れの非定常・不安定現象を,ソリディティ(翼弦長/ピッチ)=2.0, 1.0, 0.0(単独翼に相当),食違い角75°の減速平板翼列を対象に,高速度カメラによる撮影と圧力センサによる圧力変動の同時計測を実施した.その結果,単独翼の部分キャビテーション振動と類似の圧力変動が各翼列の実験で確認されたが,動翼列で観察される不安定現象は確認されなかった.また,圧力変動とキャビティ挙動の関係を明確にすべく,画像解析によるキャビティ挙動の非定常性の抽出を試みたところ,特定の条件下で圧力変動と対応するキャビティ挙動が見出せた.画像の良質化と画像処理法の最適化が課題であり,次年度も引き続き取り組む予定である. なお,翼端隙間の不安定現象に対する影響についても,翼端隙間比(翼端隙間/翼弦長)=0.03, 0.0(隙間なし)として調査しており,本実験で対象とした迎え角7°の条件下では,その影響が小さいことが分かった. 2. キャビテーションのCFD解析の課題抽出 商用コードによるキャビテーションCFD解析の適用限界について明らかにすることを目的に,まずは単独翼について二次元解析により調査を開始した.その結果,商用コードに実装されているキャビテーションモデルと乱流二方程式モデルの組み合わせでは非定常性は十分に再現できなかった.引き続き,三次元解析によるCFD解析の適用可能性を調査して行く予定である.
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Research Products
(2 results)