2009 Fiscal Year Annual Research Report
全天候型の波長別日射量推定モデルの開発と標準年気象データへの応用
Project/Area Number |
21686056
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
曽我 和弘 Kagoshima University, 理工学研究科(工学系), 准教授 (00336322)
|
Keywords | 波長別全天日射量 / 波長別天空日射量 / 近赤外域日射量 / 標準年気象データ / 晴天指数 / 波長別晴天指数 |
Research Abstract |
遮熱ガラスや遮熱塗料などの波長選択性の高い建材の年間における省エネルギー効果を算定するには、任意の天候における日射の分光データが必要になる。本研究は、このような省エネ効果の算定を可能にするために、標準年気象データから任意天候の波長別全天日射量と波長別天空日射量を推定するモデルを開発することを目的としている。 これまで、水平面全天日射量に対する波長別日射量の比率に着目して、任意天候の波長別日射量の推定法を検討してきたが、今年度は、波長別大気外日射量に対する地表面の波長別全天日射量の比率、すなわち波長別晴天指数に着目して、任意天候における波長別全天日射量の推定法を検討した。鹿児島大学の波長別日射量の観測値に基づいて、350nm~1000nmまでの波長域を対象として、2nm間隔で任意天候の波長別水平面全天日射量の推定を可能にする波長別晴天指数の近似式を作成した。この近似式では、日射の天候変化、日射の散乱減衰の影響および水蒸気による日射の吸収減衰の影響が考慮されている。波長別晴天指数の近似式による波長別全天日射量の推定誤差は、350~1000nmの波長域で最大30[W/m^2/μm]程度、近赤外域日射量の推定誤差は約10[W/m^2]であることを確認した。今後は、波長別全天日射量の推定波長域を1700nmまで拡張する予定である。また、波長別大気外日射量に対する地表面の波長別天空日射量の比率を、波長積分された大気外日射量に対する地表面の天空日射量の比率から算出可能な近似式を作成し、任意天候の波長別天空日射量を推定する方法を検討した。波長別天空日射量の推定モデルについても、次年度以降、推定波長域を350nm~1700nmまで拡張する計画である。
|