2009 Fiscal Year Annual Research Report
走査型プローブ顕微鏡によるセラミックスのき裂進展素過程のその場観察
Project/Area Number |
21686062
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
多々見 純一 Yokohama National University, 大学院・環境情報研究院, 准教授 (30303085)
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Keywords | セラミックス / 破壊 / 窒化ケイ素 / 走査型プローブ顕微鏡 / その場観察 |
Research Abstract |
セラミックスの機械的特性向上のために、破壊挙動の観察は重要である。これまでに、我々は走査型プローブ顕微鏡を用いて、各種セラミックスの破面やビッカースき裂の観察を行い、ナノスケールでの破壊挙動の評価を行ってきた。しかし、材料に荷重が作用したときのき裂の動的な観察は行われていない。そこで本研究では、走査型プローブ顕微鏡に付設可能な超小型材料試験機を開発し、これを用いて典型的な構造用セラミックスであるSi_3N_4セラミックスのき裂進展挙動を走査型プローブ顕微鏡でその場観察を行った。作製したSi_3N_4セラミックスを20×4×1.5mmに加工した後、20×4mmの面を鏡面研磨した。さらに、鏡面研磨した試料に30度の片側シェブロンノッチを導入した。この試料を走査型プローブ顕微鏡に付設できる超小型材料試験機に設置して3点曲げ試験を行った。ポップインによりき裂を導入した後、徐々に負荷しながらき裂を安定的に進展させた。き裂の観察は、走査型プローブ顕微鏡のコンタクトモードで行った。曲げ試験においてSi_3N_4セラミックスは安定破壊し、き裂が徐々に進展していく様子が観察された。Si3N4セラミックス中のき裂は先端が必ずしも連続的に進展せず、き裂後方から新たなき裂が発生・連結しながら不連続にき裂が進展していることが明らかとなった。これは、β-Si_3N_4柱状粒子によるき裂先端での応力集中の低下などに起因していると考えられる。
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Research Products
(1 results)