2009 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー光還元による微粒子生成過程を利用した難分離性元素の相互分離法開発
Project/Area Number |
21686072
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
佐伯 盛久 Japan Atomic Energy Agency, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (30370399)
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Keywords | 金属生産工学 / 反応・分離工学 / 量子ビーム / 化学物理 |
Research Abstract |
白金族および希土類元素の相互分離技術は元素戦略上、欠くことのできないものであるが、これら元素どうしの化学的性質は非常に類似しており、現在では効率的な分離法が存在しない。本研究では、最近申請者が原理実証した「レーザー光還元による微粒子生成過程を利用した元素分離法」を白金族および希土類元素に適用し、その実験データを基に実プロセスへの利用可能性について検討する。 本研究で対象とする技術では複数の元素正イオンと負イオンとが共存する溶液に紫外レーザーを照射し、電荷移動吸収帯と呼ばれる光吸収帯を励起することにより正イオンを中性化し、微粒子化させる。微粒子化の効率はイオンの種類に依存するので、フィルターや遠心分離器を用いて特定のサイズの微粒子だけを取り出すことにより、元素どうしを分離することができる。 この技術を白金族および希土類元素の相互分離に適用するためには、様々な実験パラメーターとレーザー光還元による微粒子生成効率との関係を調べる必要がある。そこで平成21年度は、まずレーザー波長と微粒子生成効率の関係を明らかにするために、可視から近赤外(400-2500nm)まで幅広い波長領域のレーザー光を発生できるナノ秒パルス光パラメトリック発振レーザーを購入し、非線形結晶を用いることにより紫外波長領域(200-400nm)まで自由に波長が調節できるレーザーシステムを組み立てた。そして、この波長可変レーザーを既存の元素分離システムと組み合わせることにより、様々な波長のレーザー光を照射して金属微粒子を作製できるようにした。また当初、微粒子の粒径は走査トンネル顕微鏡で調べることを計画していたが、大量のサンプルを解析するには不向きなことがわかったため、動的光散乱式粒径分布測定装置を購入し、微粒子粒径解析を容易にした。
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Research Products
(2 results)