2010 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー光還元による微粒子生成過程を利用した難分離性元素の相互分離法開発
Project/Area Number |
21686072
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
佐伯 盛久 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (30370399)
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Keywords | 金属生産工学 / 反応・分離工学 / 量子ビーム / 化学物理 |
Research Abstract |
分散剤の存在下で貴金属元素イオン水溶液に紫外・可視レーザーを照射すると光還元過程を経て微粒子が形成されることが知られている(レーザー微粒子化)。そこで、申請者はレーザー微粒子化条件が元素ごとに異なることを利用して、レーザー波長などの実験条件を調節することにより特定の元素だけを微粒子化して選別・回収する手法を考案した。本計画では、この「レーザー微粒子化を利用した元素分離法」を化学的性質が類似しているために分離しにくい貴金属元素(Au,Ag,Pt,Pd,Rh,Ir,Ru,Os)に適用し、元素どうしの高効率な相互分離法を開発することを目指す。この相互分離法を確立するためには、効率的なレーザー微粒子化を行うために必要な実験パラメーターを明確にし、各貴金属元素において微粒化効率のパラメーター依存性を調べた後、最適な分離条件を決定する必要がある。そこで、平成22年度はこれまで構築してきた紫外・可視光領域の任意波長でレーザー微粒子化可能なシステムを利用して、AuおよびRhを対象にした実験を行い、元素分離を行う上で重要なパラメーターの洗い出しを行った。その結果、通常考えられる実験パラメーター(レーザー強度・照射時間、酸濃度、分散剤の種類・濃度)以外に、還元剤として添加するアルコールの種類や添加の仕方によってもレーザー微粒子化効率が大きく変化することを発見した。また、オクタノールなど水と混じり合わないアルコールと貴金属元素イオン水溶液で2相系を形成し、その条件下でレーザー微粒子化することにより、水溶液中で作成した貴金属微粒子をアルコール側に抽出できることを明らかにした。これはレーザー微粒子化を利用した元素分離・回収プロセスを構築していく上で、微粒子化により系から分離した元素を回収するために重要な技術である。
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Research Products
(2 results)