2011 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜特殊構造の新しい役割-心筋保護作用に与える影響とそのメカニズムの解明-
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21689042
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
堤 保夫 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (90523499)
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Keywords | 心筋 / 虚血再灌流障害 / カベオラ / カベオリン / ポストコンディショニング |
Research Abstract |
マウスに麻酔をかけ人工呼吸下に開胸、心臓の冠動脈を一時的に遮断することで30分の虚血および2時間の再灌流を行った。再灌流終了後に染色、心臓を取り出し、顕微鏡下に心筋梗塞サイズを測定した。再灌流期に短期虚血を行うことによってポストコンディショニング刺激を加えた場合、心筋梗塞サイズは対照群と比較して有意に減少し、ポストコンディショニングによる心筋保護作用が明らかとなった。また、再灌流期にオピオイドを与えた場合、吸入麻酔薬であるイソフルランを与えた場合においても心筋梗塞サイズが減少し、短期虚血を行ったポストコンディショニングと同様の作用を得ることができることからこれらの薬品においてもポストコンディショング作用が存在することが明らかになった。 さらに、カベオリン-3をノックアウトしたマウスを用いて同様の虚血再灌流実験を行いカベオリン-3のポストコンディショニング作用に及ぼす影響を検討した。短期虚血、オピオイド、吸入麻酔薬によって誘起された心筋保護作用はいずれの場合もカベオリン-3ノックアウトマウスにおいては観察されず、ポストコンディショニング効果が棄却されることが明らかになった。このことより、心筋保護作用にカベオリン-3を介した経路が重要であることが推測された。 さらに現在は、カベオラに局在するトリガー、メディエイター、エンドエフェクターについてポストコンディショニング作用がどのように変化するかを調査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H21年度から3年間、研究目的に記載された内容を滞りなく遂行できているため、おおむね順調に進展しているものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者が立てた仮説に矛盾点が見られず、H21年度から3年間、研究目的に記載された内容を滞りなく遂行できている。
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