2010 Fiscal Year Annual Research Report
精神科看護師を介在した児童・思春期のメンタルヘルス教育の開発に関する研究
Project/Area Number |
21689055
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
篁 宗一 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (60362878)
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Keywords | 早期介入 / 精神保健 / 児童・思春期 |
Research Abstract |
本年度の成果は、教育内容を妥当にするための小学校教諭からのヒアリング調査と、小学校低学年向けの教育を開発したことである。次のI~IIIの過程を経た。 I教育開発・実施体制のための組織化:精神保健の専門家および大学生による組織化した研究会による実施体制を構築した。 II児童期に向けた教育プログラムの作成:既存の小学生高学年向けメンタルヘルス教育プログラムを活用し、さらに改訂して低学年への教育を作成した。改訂前には教育関係者のヒアリング調査を実施した。教育方法と時間、内容について聴取した結果から、小学生に対しての教育内容は絞ったテーマを行うことや、児童が授業時間内に行う体験を増やすこと、アクションを加えてさらに分かりやすく伝える工夫が必要であること等が話し合われた。それを経て、スライドとストーリーを再構成した。 (ストーリーのあらすじ) 主人公の男の子が登校途中に友人とけんかをする。それが原因となり仲間はずれにされる。そのことがきっかけとなり、翌朝精神的不調からくる腹痛が起こる。一日休んで体調がよくなるが、母親へ相談したことをきっかけとして、主人公の男の子はこころの健康について学んでいく。なお教育内容としては「心身相関」「感情」「こころの状態の自己洞察」、「こころの病」「ストレスと対処法」である。配役は小学生の男の子を主人公としたほか男の子の友人、母親、女の子の友人を設定した。実施時間は45分とした。 本年度行った活動の意義としては、分かりやすく教育の内容を伝える工夫をすることで、一度の教育で最大の成果を得ようとする教育成果の向上がある。昨今、教育カリキュラムの増加に伴い、各学校で確保できる授業時間が少なくなっている。そのような中より質の高い、比較的短時間に行える教育プログラムの構築は、今後の一般化に向けてますます重要となる。今後、開発した教育について評価を行う必要がある。
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Research Products
(2 results)