2011 Fiscal Year Annual Research Report
精神科看護師を介在した児童・思春期のメンタルヘルス教育の開発に関する研究
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21689055
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
篁 宗一 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (60362878)
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Keywords | 早期介入 / 精神保健 / 児童・思春期 |
Research Abstract |
本年度の成果は、早期介入を可能にするため、Iすでに開発していた小学生版のメンタルヘルス教育プログラムを精神科看護師の協力を得て実施し効果を再評価したこと、II引き続きあらたな教育開発を行ったこと、III対象者の学年を下げて小学校低学年からの教育実施を試みたことにある。 Iでは小学生中学年を対象として試行的に教育を実施し再度評価を行った結果、「授業の反応」ではロールプレイを用いた教育プログラムは生徒の非常に満足度が高いことが認められた。「授業の興味深さ」に肯定的な意見を示した者は約70%と、専門分野に一定の関心が寄せられていた。補足の自由記述でも専門的な内容を「わかりやすくせつめいしていた。」など多くが肯定的であったが、だが中には「むずかしい言葉が出たから」と専門用語に対する難しさを感じる生徒もいた。また「授業が役立つか」については「そう思う」が約50%と半数以上が肯定的な回答であった。 IIであらたに作成した教育プログラム内容としては精神科看護師らによって、普段の相談業務などの体験談やロールプレイを用いた相談の場面を教室で再現した授業を構成した。 IIIでは小学校低学年の実施は、学校へ導入する際に教育内容が難しいとの指摘があり、教育関係者への賛同が得られなかったため、今後あらためて導入することとした。 なお教育実施地域の精神科看護師を含めた学校関係者らと研究会を組織し、教育内容の妥当性を検証した。本年度の成果から開発の途上にあるメンタルヘルス教育は生徒に受け入れられつつあるものの、さらに伝え方の工夫が必要であることが明らかとなった。また早期介入についての効果は、特に精神的に生徒が悩んだ際に行動に移せる否かなどを縦断評価し、今後明らかにする必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発を行った教育プログラムは複数あるものの、縦断的な評価が限られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
小学生の低学年にメンタルヘルス教育を行うためには、多くの関係者の協力を得なくてはならない。またその内容も専門的な内容をかなりわかりやすくかみ砕いて再構成する必要がある。今後、ロールプレイだけでなく、パンフレットや、アニメーション、紙芝居など多様性にとんだ教育ツールを作成し対象者の受け入れについての評価をみることで、対象年齢に沿った内容のものが選択できると考えられる。
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Research Products
(2 results)