2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700028
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
津邑 公暁 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (00335233)
|
Keywords | 計算機システム / 動画像処理 / プログラミング / ライブラリ / 並列処理 / 自動並列化 |
Research Abstract |
当該年度は,まず昨年度に取り組んだ,動画フレーム内のそれぞれの領域において自動的に処理量を調整することで,フレームレートおよび処理対象領域の画素精度の両方を維持する方式に対する改良方式を実装した。フレーム間で変化のないようなフレーム内領域は高い処理精度を必要としないため,それらを自動的に検出して当該領域の処理精度を低下させることで,本当に処理が必要である領域の処理精度を高く保つ方式を,開発中のライブラリに実装した。この成果は国際会議論文1編にまとめた。 次に,昨年度までに実現した,GPUの性能を自動的に引き出すことが可能なライブラリフレームワークの考え方を一歩すすめ,動画像処理を記述するためのプログラミング言語を提案し,この言語で記述されたプログラムをこれまで実装したライブラリを使用するC++プログラム形式に変換するプリプロセッサを提案・実装した。これにより,動画像処理記述の抽象度をさらに上げることができ,動画像の空間・時間解像度のみならず,GPU利用のためのインタフェースも完全に隠蔽することができるようになり,プログラマはGPUの存在を一切意識することなく,GPUの恩恵をパフォーマンスの面で受けることができるようになった。この成果は国際会議論文1編にまとめた。 これら主要な成果の他にも,さまざまなプラットフォーム上におけるプログラミングを簡素化するための方式を複数,提案・実装した。ひとつはCell/B.E.向け開発環境であるCellSsに対し,タスクを自動的に切り出す機能を追加することにより並列化単位をプログラマに意識させないようにする拡張を提案・実現した。また,従来のCellSsが持つ制約を一部取り除くことで,より多くのプログラムに対応可能とした。ふたつめは,GPUやCell/B.E.を含む様々なバックエンドに汎用的に適用可能なプログラミングフレームワークであるOpenCLに対し,並列化単位の粒度を調節することで性能を向上させる拡張を提案・実現した。 これらの結果は,国内研究会発表2編にまとめた。
|
Research Products
(6 results)