2010 Fiscal Year Annual Research Report
利用者環境に適合する高機能多地点双方向中継ネットワーク基盤技術の研究開発
Project/Area Number |
21700085
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
橋本 浩二 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (80305309)
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Keywords | 多地点双方向通信基盤 / オーディオ・ビデオ中継 / 会議通話 |
Research Abstract |
利用者の通信環境に適した映像・音声データによる双方向通信機能を、コンピュータネットワーク上で負荷分散しながら利用者へ提供することにより、多地点双方向通信用中継ネットワークのスケーラビリティと利便性を向上させることを目的とした研究開発を進めた。平成22年度は、平成21年度に開発したシステムの拡張性と利便性を向上させるための機能を開発した。 システムの拡張性に関しては、利用者が用いる端末をグループ化し、そのグループ単位で映像・音声データ処理を行うためのメッセージプロトコルを設計する一方、適切な端末で映像・音声データ処理を実現するための端末選択アルゴリズムを考案した。これらの機能により、多地点間で双方向の映像通信を実施する際、利用可能な端末の性能とネットワークの帯域に応じて、負荷の高い映像合成処理を適切な端末で行うことが可能となった。また、利便性に関しては、多地点間双方向通信を実施し易くするためにユーザーインターフェースを設計・実装し、実際の利用を通じて改良を続けた。 開発したシステムは映像配信やTV会議を実施する際に利用可能であり、海外の大学に向けて行われる遠隔教育のプロジェクトや、企業内におけるミーティングで活用されるに至っている。研究代表者自身も開発システムを用いて遠隔会議を実施している。また、開発したシステムは、自由に利用可能なフリープログラムとしてインターネット上で公開されている。本研究を通して、利用者の通信環境に適した映像・音声データ通信形態による双方向通信を可能とする柔軟な機能の実現に成功したと考えている。
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