2010 Fiscal Year Annual Research Report
携帯情報端末によるスポーツ観戦メタデータの抽出・共有と映像アノテーションへの利用
Project/Area Number |
21700104
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大平 茂輝 名古屋大学, 情報基盤センター, 助教 (60339695)
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Keywords | コンテンツ・アーカイブ / モバイルシステム / メタデータ / 映像アノテーション |
Research Abstract |
本研究では、スポーツ映像を対象として、機械処理の精度向上や専門家が修正する映像区間の絞り込み、また多数の閲覧者の視点や注目度といった統計的情報の取得、これらを映像中の事象の発生と同期的に行うことによる新しい映像アノテーション手法の確立を目指している。具体的には、試合会場で観戦・応援しながらデジタルカメラやハンディカムで適宜撮影を行うという、ごく自然は観戦スタイルを映像アノテーションに組み込む手法の提案である。一般に、撮影された静止画や動画像が保持するメタデータは時間情報のみであることから、観戦時の身体動作や視線の方向、観戦位置に関する情報を観戦状況メタデータとして獲得するために、撮影機器以外のデバイスとして各種センサを搭載した携帯情報端末(センサユニット)を導入した。平成22年度は、電子コンパスを内蔵したデジタルカメラを導入し、複数人の撮影に基づくフィールド上の視点検出を行った。3名の視線の重心を求める方法により、約9m(サッカー場のセンターサークル程度)の範囲内で視点の検出が可能であること、1名の視線を追加することで約6mの範囲内で検出可能となることを示した。単一の放送映像では抽出が困難な区間に対して観戦データを適用することにより、ボール位置検出という従来技術の部分補完が可能となることが分かった。また、ゴールシーンなどの試合の盛り上がりに応じた典型的な身体動作として、センサユニットの3軸加速度センサから身体動作に伴うZ軸(上下)方向の加速度を取得し盛り上がりの検出を行ったところ、ゴールシーンの検出率は100%であり、シュートシーンについては再現率62.5%、適合率83.3%という結果が得られた。さらに、観戦行為に基づくスポーツ中継映像の構造化を行い、観戦メタデータを活用したスポーツ中継映像視聴システムを試作し、中継映像とともに観戦者の視点や撮影した画像、身体動作等の時系列情報の閲覧と共有が可能となった。
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