2010 Fiscal Year Annual Research Report
情報発信者および受信者の信頼性評価尺度分析に基づく情報推薦技術に関する研究
Project/Area Number |
21700120
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
河合 由起子 京都産業大学, コンピュータ理工学部, 講師 (90399543)
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Keywords | Web / 信頼性 / 情報推薦 / 情報検索 / 可視化 / ユーザ特性 / 感情ベクトル |
Research Abstract |
本研究課題では、情報発信者・受信者が話題に抱く感情を抽出することで、各発信者の話題に対する捉え方の違いを検出し、高信頼性情報を提示できる情報推薦技術の研究開発を目的とする。初年度に、提案するシステムの基本的な実装を行った。具体的には、信頼性に基づく記事推薦システムに用いる辞書構築のため、単語bigramを生成することで、前出の単語と後出の単語との関係を考慮した単語の感情値算出を行った。また、本研究では、信頼性の評価尺度として発信者の立場(ドメイン)ごとの感情値を検出する必要があり、各記事の感情値を用いてドメインごとの感情グラフを動的に生成した。さらに、それらを地図にマッピングするシステムを構築した。平成22年度では、ユーザの感情値を算出してドメインごとの感情値との相関関係から各ユーザの信頼性評価尺度を検出し、評価尺度を用いて信頼性の高い記事推薦を行った。以下に詳細について述べる。(1)受信者の感情値抽出として、ユーザプロフィルの話題語と記事選択の閲覧履歴に基づき、話題ごとに閲覧した記事集合を特定する。各記事集合から感情値の平均値を算出し、話題に対する感情値として抽出を行った。(2)信頼性評価尺度検出では、発信者ごとの感情値を基に、話題に関する各記事の信頼性判定機能を実装した。信頼性の判定は、閾値を基に各ドメインの感情値の偏りを検出し、その偏りから信頼性を判定し、ユーザへ推薦する。この閾値となる評価尺度は、ユーザの感情値と各ドメインの感情値との相関関係に基づき検出した。(3)辞書の改良では、初年度にbigramにより誤差の少ない感情値を算出したが、平成22年度ではさらに回帰分析を行うことでさらなる精度向上を行った。また、これまでの4軸の感情軸を、記事の特性を考慮し、新たな3軸を構成可能な辞書を構築した。
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