2010 Fiscal Year Annual Research Report
自然言語処理とネットワーク構築技術との融合による「印象の源」を探る研究
Project/Area Number |
21700240
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山本 英子 神戸大学, 工学研究科, 講師 (90450692)
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Keywords | 意味ネットワーク / ネットワーク構築 / 印象分析 / 自然言語処理 / 印象の源 |
Research Abstract |
本研究では、多くの人に受け入れられる製品やサービスの開発のための、製品から人が受ける印象の新しい評価方法を提案することを目的とする。そこで、ユーザの受けるさらに奥深い印象に注目し、「製品から受ける印象の奥には、その印象を生じさせる源のようなものが潜在している」、つまり「なぜその印象を受けたのかという拠り所がある」と考え、その印象の源を探る。 本年度は、昨年度提案した「印象の源」を抽出する方法の有用性について、統計的に詳しく検討した。具体的には、再度印象実験を行ない、モノに対する好き嫌いの違いを印象の源によって説明しうる定量的根拠を探った。また、印象の源として検討した、ネットワークの中心と想定される語と、ネットワークの構造的特徴とのどちらがより妥当であるかを検証した。これによりこの実験は、動物8種類とカップ6種類をそれぞれ対象として行なった。これらを対象とした理由は、動物に対して人は好き嫌いが明言しやすいため、人工物とのその違いの比較ができ、また、人工物として前回と同じカップを選択することによって、前回の結果との比較ができると考えたためである。ただし、今回は、動物は24種類、カップは30種類の中から、予備実験の結果を好き嫌いに基づく4つもしくは3つのカテゴリに分類し、それぞれの上位2種類を実験対象として選定した。 結果として、「印象の源」の抽出方法の有用性とともに、印象実験の結果から構築した印象ネットワークの構造的特徴が、好き嫌いの違いを定量的により明白に説明しうることを示すことができた。また、ネットワークを構築する際に用いた意味ネットワークについて、WordNet以外に連想ネットワークEATを用いて検討してみたが、語彙の偏りやつながりのばらつきが非常に大きいため、ネットワークを描くことが困難であった。このことから、現時点では、WordNetが妥当であると結論づけた。
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Research Products
(2 results)