2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700367
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
永樂 元次 The Institute of Physical and Chemical Research, 細胞分化・器官発生研究グループ, 研究員 (40415097)
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Keywords | 神経発生 / 幹細胞 / イメージング |
Research Abstract |
研究代表者がこれまでに報告したように、ES細胞からのin vitroの分化系において、自己組織的に大脳皮質神経組織が形成された。ほ乳類生体の神経系発生過程おいても、同様な自己組織的なメカニズムが働いていることが考えられるが、その際の各細胞の挙動や組織形態形成の分子的な実態についてはほとんど明らかにされていない。その理由として、ダイナミックな現象であるほ乳類胎生期の神経系発生過程をリアルタイムで可視化することが困難なことが挙げられる。一方でES細胞からの分化系では、未分化ES細胞の状態から神経細胞へと分化する全過程がin vitroにおいて観察可能であり、任意のタイミングで様々な刺激を加えることも可能である。そこで本年度は、ES細胞から神経組織への分化過程を可視化するために必要な各蛍光プローブを安定発現したmES細胞株の単離とイメージングシステムの構築を行った。具体的には細胞挙動を同定するために、Soxl :: EGFP、Rx :: EGFP、Bfl :: VenusのそれぞれのノックインES細胞株に、核に局在するH2B-mCherryをエレクトロポレーションによって導入し、安定発現する細胞株のスクリーニングを行った。また、イメージングシステムとしてはインキュベーション顕微鏡(オリンパス)を用いてES細胞から神経組織へと分化する過程を1週間以上にわたって観察することができる実験系を構築することができた。このような実験系を用いた観察の結果、未分化のES細胞から神経上皮組織へと分化する過程における細胞の挙動を単一細胞レベルの解像度で解析することに成功した。
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