2009 Fiscal Year Annual Research Report
機能性微小空間を付与したDNA金ナノ粒子を用いる有害金属イオンの簡便・迅速検出
Project/Area Number |
21700495
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金山 直樹 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (80377811)
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Keywords | DNA / 金ナノ粒子 / 重金属イオン / ミスマッチ塩基対 / 非架橋凝集 |
Research Abstract |
本年度は、ミスマッチ塩基対が形成する機能性微小空間を有するDNA二重鎖を密に担持した金ナノ粒子分散液の調製法を確立し、さらにその検出ターゲットに対する応答性(非架橋凝集の起こしやすさ)を評価した。具体的には、ターゲットとして水銀(II)イオンを取り上げ、これと特異的に相互作用する機能性微小空間を形成することが知られているチミン-チミン(T-T)ミスマッチ塩基対をDNA二重鎖中に導入したさまざまなDNA二重鎖担持金ナノ粒子分散液を調製し、その水銀イオン共存下における分散安定性を系統的に評価した。その結果、金ナノ粒子のサイズやDNA二重鎖へのミスマッチ塩基対の導入位置が、当該金ナノ粒子のターゲット成分に対する応答性に大きく影響することが明らかとなった。特に、ミスマッチ塩基対の導入位置は、ターゲット成分に対する応答性に強く反映され、的確な位置に導入しなければターゲット応答性が全く発現しないことがわかった。的確な位置にT-Tミスマッチ塩基対を導入したDNA二重鎖担持金ナノ粒子は、水銀イオン(II)共存下で分散安定性が顕著に低下し、非架橋凝集に伴う分散液の色の明瞭な変化(赤から薄紫)が目視で確認できた。この色の変化は、当該金ナノ粒子分散液に水銀(II)イオンを添加した後、数分内で完了する迅速なものであった。さらに、当該金ナノ粒子分散液は、他の二価(重)金属イオンには全く応答せず、水銀(II)イオンに対して極めて高い選択性を有していることが確認された。
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