2010 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系再構成を目的とした下肢装具併用型電気刺激装置の開発
Project/Area Number |
21700571
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Research Institution | National Hospital Organization Murayama Medical Center |
Principal Investigator |
村岡 慶裕 独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究センター), 生体機能制御解析室, 室長 (10338254)
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Keywords | 機能的電気刺激 / 随意筋電計測 / 可塑性 / 脳卒中 / 脊髄損傷 / 運動学習 / CPG |
Research Abstract |
本研究は、脳卒中や脊髄損傷などの中枢性麻痺による下肢麻痺者に対し、歩行中に中枢神経系の再構成を促す下肢末梢神経および筋肉からの適切な電気刺激方法の検討を行い、下肢麻痺者が常用している下肢装具に電気刺激を併用して、日常生活動作を阻害することなく,中枢神経系の再構成による機能回復を促す装具併用型の軽量小型電気刺激装置の開発を行うことを目的としている。 2年目となる平成22年度は、装置の設計の際に必要となる下肢麻痺者の様々な歩行周期における下腿部の動作パターンと下肢筋群の筋電位発火パターンを計測するために、研究計画を策定し、村山医療センターの倫理審査委員会に研究の申請を行い、数回の修正を加えた後に研究実施の承認を得た。低歩行能力者である下肢麻痺者のワイヤなどのひっかかりによる転倒のリスクを低減するために、ワイヤレスにて、2chの3軸加速度と3軸角速度、および8chの筋電位を同期して計測できる装置を構築した。装置にて、両側の膝蓋骨下部の3軸加速度、角速度、両側の前頸骨筋、ヒラメ筋、大腿四頭筋、ハムストリングスを同期して、200Hzの標本周波数にて測定可能であり、これまでに、3名の健常者と1名の脳卒中片麻痺者の歩行の計測を行った。さらに、不完全であった中枢神経系の再構成を確認するための評価システムの修正および改良を加えて完成させ、健常者にて動作確認を行った。本システムは、試験刺激で誘発される誘発筋電位が、最大3か所の別部位からの電気刺激などの条件刺激により、どのように変動するかを調べることにより、シナプスの結合強度の変化を捉えることが可能である。
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