2011 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系再構成を目的とした下肢装具併用型電気刺激装置の開発
Project/Area Number |
21700571
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
村岡 慶裕 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (10338254)
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Keywords | 機能的電気刺激 / 随意筋電計測 / 可塑性 / 脳卒中 / 痙縮 / 痙縮評価 |
Research Abstract |
本研究は脳卒中等の中枢性麻痺による下肢麻痺看者に対し、歩行中に中枢神経系の再構成を促す下肢末梢神経および筋肉からの適切な電気刺激方法の検討を行い、下肢麻痺者が常用している下肢装具に電気刺激を併用して日常生活動作を阻害することなく、中枢神経系の再構成による機能回復を促す装具併用型の軽量小型電気刺激装置の開発を行うことを目的としている。 最終年度となる平成23年度は、研究代表春が転職となったため、研究体制の再構築に時間を要した。脳卒中患者4名と健常者2名の歩行において、両面の前頸骨筋、ヒラメ筋、大腿四頭筋、大腿二頭筋の筋電位と下腿の3軸角速度・加速度、腫接地、爪先離地を無線で標本周波数200Hzにて同時計測を行った。30~190(拍/分)の7種のテンポ音(脳卒中被験者は可能なテンポのみ)を発信し、約8mの平地直線歩行路で各テンポに同調した歩行を施行させた。脳卒中の被験者では各個人特有のパターンが存在したが、テンポに依存しない傾向がみられた。 本結果より、当初予定していた4ch筋電検出4ch電気刺激出力を持つ装置を製作せずに、12時間連続駆動可能な95x37x10mm,43gの電気刺激装置を4台製作し、各筋に独立に装着して収縮を補助する形式とした。本形式により、必要な筋肉数に応じた対応ができ、本体1ヶ所から四方八方に配線されていたコードも排除できる。本装置を健常被験者に適用したところ、相互干渉することなく、各筋の随意筋活動に応じて電気刺激により収縮を補助した。また、装置4台とも片側短下肢装具と大腿部サポータのポケットに配置ならびに収納することができ、コードも各筋肉の近傍に短く配線できた。 本装置を装着して歩行することにより、筋活動が増輻してフィードバックされ、中枢神経系の再構成を促す可能性がある。その効果等を検証するために簡易型痙縮評価装置の開発も行った。
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