2009 Fiscal Year Annual Research Report
100kmマラソン中のレースペース変動と血糖変動の関係
Project/Area Number |
21700625
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Research Institution | Heisei International University |
Principal Investigator |
仙石 泰雄 Heisei International University, 法学部, 講師 (30375365)
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Keywords | ウルトラマラソン / レースペース / 血糖変動 / エネルギー摂取 |
Research Abstract |
2007年サロマ湖100kmウルトラマラソンに出場し,10時間以内で完走した全ての男性ランナー300名のレースペース変動を分析した.その結果,7時間以内でゴールするランナーはレース中の走速度変動を小さく抑えて走行していることが明らかとなった.また,9時間以降にゴールするランナーは50km以降に急激に速度が低下する特徴が示され,7時間から9時間以内でゴールするランナーは50km以降緩やかに走速度が低下し続ける傾向が示された.ウルトラマラソンレースにおける生理応答を調査した研究は,レース前・中・後の測定値の分析結果を報告していることが多い.しかしながら本研究結果より,レース中の生理応答とレースパフォーマンスの関係を明らかにするためには60km~90k皿区間に着目することが必要であることが明らかとなった. また,2009年サロマ湖100kmウルトラマラソンに出場したランナー1名を対象に連続血糖測定器を用いてレース走行中の血糖変動を分析した,対象者は,9時間20分でゴールし,50km以降の血糖値がレース前半と比較して高い値を保持する傾向が観察され,50km以降の急激な速度低下はみられなかった.その要因の一つとして55km地点で478kcalのエネルギー補給を行ったことが考えられた.我々の先行研究では,100kmマラソン中の急激なレースペース低下は血糖値の急激な低下と連動することを報告したが,本年度の研究成果により,急激なレースペース低下の抑制には血糖値の維持が関係している可能性が示唆された.しかしながら,本対象者のレースペースは,前述したゴールタイム別にみた9時間以降にゴールするランナーレースパターンとは異なるものであり,100kmマラソンにおけるレースパフォーマンスを評価するためには,ゴールタイム別だけではなくレースペース変動パターンごとに分析する必要性が示唆された.
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Research Products
(1 results)