2009 Fiscal Year Annual Research Report
筋活動による脳機能の維持・亢進に関与する脳タンパク質の網羅的解析
Project/Area Number |
21700655
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾家 慶彦 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (50396470)
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Keywords | 筋活動 / 脳機能 / プロテオミクス / MS / 後肢懸垂 / 海馬 |
Research Abstract |
運動、特に下肢の筋活動は、肉体的な健康に対してだけでなく脳の認知機能にも大きな影響を与えることは一般に周知の事実である。本研究は、筋活動が脳機能の維持や亢進に及ぼす影響を細胞レベルならびに分子レベルで追及することを目的としている。本年度は、「筋活動による脳機能の維持」に関する分子レベルでの知見を得ることを目標として、後肢懸垂によって後肢筋活動を抑制したラットを実験モデルとして「記憶学習能力の評価」と「筋活動の抑制による海馬タンパク質の発現変化」の網羅的解析を行った。 記憶学習能力の評価としては、迷路水槽テストを連続して4回行い、各試行回におけるスタート地点からプラットホーム到達までに要する経路長の比較から短期間の記憶能力の評価を行った。後肢懸垂群の要した経路長を通常飼育群での場合と比較すると、全ての試行回において長い経路を要する傾向があり、また試行回数の増加に伴う経路長の短縮も見られない傾向があった。これらの結果から後肢懸垂によって記憶学習能力に悪影響が及ぼされることが示唆された。また、海馬発現蛋白質の2次元電気泳動像の比較・MS解析・ウェスタンブロット法による解析の結果、後肢懸垂によって顕著に発現量が変化するタンパク質は見られなかったものの、pIが大きく変化したタンパク質を2鍾類見出した。後肢懸垂によってこれらのダンパク質の機能が変化した結果、海馬の機能変化が起こされ最終的には記憶能力へ影響が及ぼされた可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)