2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700663
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
越智 英輔 Meiji Gakuin University, 教養教育センター, 講師 (90468778)
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Keywords | 筋損傷 / エキセントリック収縮 / 動物モデル / 結合組織 / 瘢痕化 / 肉離れ / コラーゲン / in vivo |
Research Abstract |
本年度は、腓腹筋を対象として重度肉離れ損傷モデルを作成することを目的とした。代表者の研究グループはこれまでにラットエキセントリック筋収縮装置を用いて比較的短期肉離れ損傷モデルを報告している。しかし、このモデルは、筋力低下が2-3日と比較的短期間であり、かつ筋重量に関してはコントロール群との比較において有意な差が認められないという結果であった。そのため、スポーツ現場で発生する肉離れ損傷との直接比較が難しい点が問題となっていた。 そこで我々は、これまでのモデルをもとに、1)同条件の肉離れ収縮を1週間おきに2度実施する(実験期間は2週間)、2)同条件の肉離れ収縮を2日おきに4度実施する(実験期間は1週間)、の2条件で実験を行った。その結果、実験1では、有意な筋力低下(解剖直前)及び筋湿重量の減少が認められなかった。一方、実験2では、有意な筋力低下及び筋湿重量の有意な減少を観察した。 以上から、スポーツ現場との直接比較が困難となっていた過去のモデルの条件を改変することで、重度肉離れ損傷モデルを作成したことを本年度の重要な成果とする。このモデルの確立は、スポーツ現場において頻発する肉離れ損傷のメカニズムの解明について、先行研究とは異なる非侵襲的手法を用いて検討することが可能となる。そして本モデルを用いることで、筋損傷に伴う筋機能低下・筋萎縮・瘢痕化・その修復時の応答メカニズムについて新たな知見を得ると同時に、肉離れ損傷の発症の予防と回復を促進する上での基礎データを提示するものと考えられる。来年度はこのモデルを使用し、修復時のタンパク質・遺伝子発現量の変化(結合組織瘢痕化の分子機構)について検討する予定である。
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Research Products
(11 results)