2010 Fiscal Year Annual Research Report
一過性有酸素運動と食後中性脂肪:簡易測定器による評価
Project/Area Number |
21700688
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
宮下 政司 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 研究員 (40447248)
|
Keywords | 運動療法 / 生活習慣病 / 食後中性脂肪 / 有酸素運動 / 脂質代謝 / 毛細血管血 / 高齢者 / 身体活動傷 |
Research Abstract |
【背景と目的】食後の中性脂肪の著しい上昇および日常化は、動脈硬化を促進させ、心血管疾患の独立した危険因子の一つであり、食後の高中性脂肪は心血管疾患の罹患率を高めると報告されている。多くのヒトの日常生活では、一日の大部分が"食後"の状態になっていることから、食後の中性脂肪の上昇を抑制することは、将来的な心血管疾患の罹患率を軽減する上で有益なことである。一過性の身体活動は、食後中性脂肪濃度を下げるが、この身体活動による食後中性脂肪濃度の上昇抑制効果は急性的である。しかし、身体活動量の違いが食後中性脂肪濃度に与える影響は明らかでない。そこで、本研究は活動的な高齢者と非活動的な高齢者の食後中性脂肪濃度を比較することを目的とした。【方法】本研究には、26名(年齢69.8±0.9歳、平均±標準誤差;女性16名、男性10名)の高齢者が参加した。加速度計のデータに基づき、参加者は活動群(中強度以上の身体活動を週150分以上;15名)と非活動群(中強度以上の身体活動を週150分未満;11名)に分類した。参加者は48時間の身体活動の禁止および10時間の空腹の後、試験食として中脂肪食をとった。毛細血管血を空腹時、食後2時間後、食後4時間後、食後6時間後に採取した。【結果】体重、体格指数および腹囲の調整後の食後毛細血管中性脂肪濃度は、非活動群と比較し、活動群で低値を示した(P<0.0005)。【考察】これまで身体活動による食後血中中性脂肪濃度の低減効果は急性的であると報告されてきたが、本研究の結果より、慢性的な身体活動も同様に食後高中性脂肪血症の予防や改善に対し重要であるということを示した。【結論】本研究は、身体活動指針で掲げられている週150分以上の中等度以上の活動を満たす者では、満たしていない者より食後の中性脂肪値が低値を示すことを明らかにした。
|
Research Products
(3 results)