2009 Fiscal Year Annual Research Report
運動によるインスリン感受性亢進における筋ーマクロファージ間コミュニケーション
Project/Area Number |
21700702
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
池田 真一 Juntendo University, 大学院・医学研究科, 研究員 (50534898)
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Keywords | 運動 / 骨格筋 / インスリン感受性 / マクロファージ |
Research Abstract |
【日的】運動はインスリン感受性を亢進させ、糖尿病・メタボリックシンドロームの予防・治療に有用であるが、その分子機序は明らかではない。我々は、マウスに一過性走運動を施すと、筋インスリン感受性の亢進とともに、マクロファージの集積を見出しており、本研究の目的は、運動による筋インスリン感受性の亢進に、運動後に集積したマクロファージが関与すると仮説し、検証を行った。【方法】C57BL6Jマウスにクロドロネートリポソーム(CL)を腹腔内注射し、筋、その他臓器におけるマクロファージの枯渇を確認した。また、運動の1目前にC57BL6JマウスにCLを腹腔内注射し、その後20m/min、10度の上り勾配で90分の一過性走運動を施し、その24時間後に足底筋を摘出し、ex vivo incubation法にてインスリン刺激し、2-deoxyglucoseの取り込みを測定した。また、CL投与後、ex vivo incubation法にてインスリン刺激し、タンパク質を抽出し、ウエスタンブロットにより、代表的なシグナルの活性化も検討した。【結果】CLの投与後2~3日にマクロファージの枯渇が認められた。このマクロファージが枯渇した条件下において、一過性走運動を施すと、非投与群ではインスリン感受性の亢進が認められるのに対して、CL投与群では、その亢進がほほ完全に抑制されていた。また、この際、Akt、MAPKなどの代表的なシグナルには変化が認められなかった。【考察】運動による筋インスリン感受性亢進にマクロファージがかかわっていることは示唆されたが、どのようなシグナルを介してであるかは明らかにされなかった。次年度はさらに詳細にシグナルの検討を行い、筋一マクロファージ間コミュニケーションの詳細を明らかにしていく。
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Research Products
(3 results)