2010 Fiscal Year Annual Research Report
食料品店・飲食店に関する全国規模の地理的情報データベースの開発と疫学研究への適用
Project/Area Number |
21700750
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 健太郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00466731)
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Keywords | 栄養学 / 環境 / 食品 / 社会医学 / 疫学 |
Research Abstract |
日本全国の電話帳データ(個人名を除く。約770万件)をもとにして、店舗の住所情報を、アドレスマッチングを用いて緯度・経度情報に変換した。それぞれの店舗を、店舗名をもとに、事業所・企業統計調査産業分類に従って分類した。各対象者の自宅から直線距離で0.8km以内に存在する食料品店(スーパー/食料品店;肉屋;魚屋;八百屋;駄菓子屋/パン屋;米屋;コンビニ)と外食店の店舗数を算出し、この変数を近隣の食料品店および飲食店の利用可能性(neighborhood availability)とした。 このようにして開発した食環境データと既存の女子大学生のデータセット(約300の市区町村に居住する約1000人)を用いて、食環境と食品および栄養素摂取量(自記式食事歴法質問票および24時間畜尿による)との関連を検討した。考えられる交絡要因を調整した結果、近隣に駄菓子屋/パン屋が多いほど、尿中カリウム排泄量が少なく、尿中ナトリウム・カリウム比が高かった。また、米屋が多いほど、カリウム排泄量が少なく、スーパー/食料品店が多いほど、カリウム排泄量が多かった。さらに、八百屋が多いほど、ナトリウム・カリウム比が低かった(Br J Nutr 2010 ; 104 : 1043-50.)。一方、近隣の食料品店および外食店の店舗数と食事摂取量とのあいだには明確な関連はみられなかった(Nutr Res 2010 ; 30 : 565-73.; J Nutr Sci Vitaminol 2011 ; 57 : 87-94.)。
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