2009 Fiscal Year Annual Research Report
核酸摂取による関節リウマチの予防・改善効果に関する研究
Project/Area Number |
21700769
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
養父 佐知子 Showa University, 医学部, 普通研究生 (00398695)
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Keywords | 核タンパク食 / 関節炎 / 抗酸化 / HTLV-1Tgマウス |
Research Abstract |
本研究では、リウマチ様関節炎を自然発症するHuman T cell Leukemia Virus Type I遺伝子導入(HTLV-1Tg)マウスに対してサケ白子由来の核酸・核タンパクを含有した餌を長期摂取させ、関節炎抑制効果を検討した。核タンパク摂取実験ではHTLV-1Tgおよび野生型マウスの雄性個体を無作為に3群に分けた。それらの動物に対し,無核タンパク餌,核タンパク0.6%もしくは1.2%含有した餌を生後6週齢から18週齢までの3ヶ月間自由摂取させた。摂取開始後は経時的に体重と前肢・後肢の関節厚を測定した。餌摂取終了時に血清採取および関節を摘出し、血清はRheumatoid Factor (RF)と活性酸素代謝物(ROM)の測定に用いた。関節組織は病理組織学的形態変化およびIgG沈着を評価した。 その結果、HTLV-1Tgマウスにおいて関節リウマチに特有の体重減少および関節肥厚がみられたが、核タンパク摂取群においてそれらは抑制された。組織学的検討によりHTLV-1Tgマウスはリウマチ様関節炎の悪化に伴い滑膜細胞の肥厚、軟骨の破壊、パンヌス(肉芽腫)形成、血管新生等の形態的変化が認められた。この組織学的所見をスコア化した結果、核タンパク摂取群は無核タンパク摂取群に比べて有意に低下した。またIgG染色により無核タンパク摂取群では関節滑膜にIgG沈着が認められたが核タンパク摂取群ではIgG沈着が軽減していた。血清中のRF値とROM値は、核タンパク摂取群と比べ無核タンパク摂取群では低下した。以上の実験・観察結果から、核タンパク摂取はHTLV-1Tgのリウマチ様関節炎の予防効果があることが明らかになった。
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